教授メッセージ
専修医教育
一般診察に加えて神経学的診察を行い,神経学的所見を正確に把握できるように研鑽を積み,診察所見から得られた所見から,部位診断,さらに鑑別診断を行えるようにトレーニングをします。そして,鑑別診断から必要な画像診断,神経生理学的な検査を抽出し,各検査の特徴を理解し,検査結果を元に確定診断に至る,さらに文献調査を含めたEBMに則り治療方針を決めていく診療課程を修得します。
一般内科的な後期臨床研修の後に,日本神経学会認定神経内科専門医を目ざして,神経内科医としての専門的なトレーニングを開始します。上級医として研修医と共に病棟の患者を受け持ち,チャート・カンファレンス,症例カンファレンスなどで教授,スタッフ,チーフと相談しながら,中心となって診療を進めていきます。また,スタッフの外来に付いて,神経内科専門外来の診療の仕方を学びます。教育的なプログラムとして,筋電図や脳波などの検査方法の習得・判読を学ぶことができます。臨床のみならず,臨床研究,基礎研究(動物実験を含む)を行い,学会発表,論文作成も行うことが可能です。さらに、subspecialtyとして脳卒中専門医、頭痛専門医、認知症専門医、臨床神経生理学会専門医などの取得を目指すことも可能です。
専修医教育の特徴
当教室は中原仁教授以下、准教授、専任講師、助教、大学院生をあわせて約40名を擁し、40床程の病床を管理しています。対象疾患は、神経変性疾患(パーキンソン病、認知症、脊髄小脳変性症など)、脳卒中、脱髄性疾患、感染症、頭痛、てんかんなど広範囲に渡っており、他科との関連がある疾患が多いのも特徴です。
病棟では1人の患者様の診療に、教授以下、病棟主治医(チーフ)、上級医(オーベン)、研修医がチーム制で担当となり、チャート・カンファレンス、症例カンファレンス、脳神経外科・リハビリテーション科・精神神経科との合同カンファレンスなどにより、多方面から総合的に治療方針が検討され、診療が進められます。外来では、特殊外来として、メモリークリニック(認知症)外来、神経免疫外来、頭痛外来、パーキンソン病外来、ボトックス・デバイス外来、多発性硬化症外来、ALS・遺伝性疾患外来を設け、患者様のニーズに応えるよう努力しています。また、神経内科専門医からのレクチャーとして、アライアンス施設(関連病院)を含めた勉強会を定期的に開催しています。
専修医修了コンピテンシー
全入院患者の1週間の診療内容、病態をスタッフとともに検討するチャートカンファレンスを毎週行っています。若手医師を中心に、貴重な症例を文献的考察を含め詳細に検討する症例カンファレンスを定期的に行い、臨床推論の力を磨いています。さらに、リハビリテーション科・脳神経外科・精神科との合同カンファレンスも定期的に行っており、科を超えた神経疾患の最新の診療を勉強できます。
神経内科は専門性の高い疾患が多く、当研究室では複数PI(Principal Investigator)制をとっており、各領域の専門医の下で、臨床・研究に取り組むことが可能です。神経内科専門医を取得後、脳卒中専門医、頭痛専門医、認知症専門医などのサブスペシャリティ資格を取得することが可能です。また、急性期脳血管障害の治療には、脳神経外科と協同のうえで血栓溶解療法・血栓回収療法に対応しており、手技を学ぶことができます。
脳から脊髄、末梢神経から筋肉に至るまでの経路における障害を取り扱う科であり、頭から足先までの全身を診察、評価することが求められます。原因も脳血管障害や免疫性、代謝性、遺伝子異常や原因不明の神経変性疾患に至るまで実に多彩であり、多数の疾患に対する幅広い知識が必要です。ベッドサイドでの研修のみでこれら全てを学ぶのは不可能と言えるでしょう。当科では症例カンファレンスや各専門医による勉強会を定期的に行っており、知識の拡充も行える理想的な研修プログラムを構築しております。神経症候学を基礎として、脳血管障害、パーキンソン病、頭痛、認知症、免疫性神経疾患など専門的な分野についても幅広く学ぶことができる環境が整っています。決して神経内科は「難しい」、「分からない」学問ではありません。ぜひ神経学の面白さを学びに、当科に研修に来てください!
先輩からのアドバイス
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