教授メッセージ
専修医教育
新専門医制度が導入され、専攻医を取り巻く環境が著しく変化しました。慶應消化器内科ではこの変化に柔軟に対応し、多様性を重視し幅広いニーズに対応した研修の構築を目指しています。新専門医制度が目指す内科医師像の一つとして、総合内科的視点を持ったSubspecialistが挙げられ、専門研修に進む前の土台として多臓器・分野に渡る基礎的臨床能力の習得が求められています。大学研修というと、スペシャリストの育成に特化した研修を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、慶應内科学教室では旧制度の時代から伝統的に7内科が協力して多臓器・分野に渡る臨床能力の習得を目指した研修を行ってきてました。慶應消化器内科においては、長年のノウハウをもって新専門医制度の導入に伴う変化に躊躇なく取り組めており、さらに、大学研修ならではの専門的な診療、基礎研究、臨床研究に専攻医時代からいち早く触れることができる非常に魅力的な研修を行うことが可能です。
また、豊富な連携施設との協力から、さらに進化した研修環境の構築を目指しており、全国から様々なルーツを持った教室員が一丸となって慶應消化器内科を盛り立てています。国内外の留学のサポートなど幅広い選択肢を提示し、個々のニーズに応じたオーダメイドな研修が行える環境を整えています。また、ライフイベントを経ても研修を継続できるよう教室員に寄り添ったキャリアサポートを目指しています。関東を中心に30施設以上の関連施設と診療だけでなく教育・研修においても密に連携をとっており、各施設の特徴を生かし、幅広い選択肢の中で充実した研修が可能となっています。また、大学病院と関連施設の間で、症例検討会などを通して積極的にディスカッションを行うなど、切磋琢磨しながらお互いがレベルアップしていけるような機会を設けています。
専修医教育の特徴
慶應消化器内科では大学病院としての先進的診療を遂行しながら(炎症性腸疾患の先進的治療、肝不全に対する集学的治療、肝悪性腫瘍に対する低侵襲治療と予防医療、がんプロフェッショナルプランの包括的腫瘍医療研修、膵癌、胆道癌などの悪性腫瘍に対する内視鏡的インターベンションや化学療法、早期消化管癌に対するESD、新しいデバイスを用いた小腸疾患の診断など)、胆管炎、消化管出血、大腸炎などcommon diseaseを取り扱うことも多く、緊急内視鏡などの処置に触れる機会も比較的多いなど、バランスのとれた臨床研修を行える環境にあります。臨床グループは、上部消化管、下部消化管、消化器腫瘍、肝臓、胆膵、消化器内視鏡と6つのグループに分かれ臨床、研究に取り組んでいます。また、他の診療科と臓器毎に診療クラスターを形成し定期的なカンファレンスを行っており、横断的な視点で臨床能力を養うことができます。
さらに、基礎研究分野においては、世界のトップレベルを目指した研究を行っています。研究については臓器別ではなく、大きく再生、免疫、腫瘍、機能(ユニット)にわかれ、臨床グループと研究グループが臓器・分野横断的に意見交換できる環境にあります。研究内容は多岐にわたり、臨床に応用還元できるBench to Bedside researchを信念に研究に励んでいます。研究成果の中にはNatureやCellなどの一流誌に掲載されたものもあり、臨床教室にいながら世界のトップレベルの研究の遂行が可能な環境にあります。
専修医修了コンピテンシー
慶應消化器内科では内科医、消化器内科医としての総合力を基盤にSubspeciality領域の専門性を活かし、様々なキャリアパスで活躍できるような医師を養成することを目標とした研修を行っています。
連携施設での研修では内科及び消化器内科領域の幅広い疾患を経験し、内科医・消化器内科医としての総合力の基盤を形成することができます。また、大学研修では連携施設での研修で培った総合力を基盤に、臓器別に消化管、肝胆膵チームの2チーム制で病棟チーフ、専攻医、研修医とともに屋根瓦式のチームをつくり、総合内科的視点のさらなる醸成とSubspeciality領域の両立を達成することを目標とします。
大学外での研修期間にもこのようなSubspeciality領域の学習ができるよう、様々なカンファレンスやワークショップ、ハンズオンセミナーなどを企画し、研修期間を通じてSpecialityを養成する研修も行えるような環境作りに努めています。
さらに詳細な情報を知りたい際には消化器内科HPよりお気軽にお問い合わせください。また、定期的に教室説明会を開催しておりますので、こちらもお気軽にご参加ください。ぜひ皆様のご連絡をお待ちしています。
先輩からのアドバイス
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