
臨床グループは、上部消化管、下部消化管、消化器腫瘍、肝臓、胆膵、消化器内視鏡と6つの班に分かれて外来・病棟業務、臨床研究に取り組んでいます。いずれの臨床グループにも経験豊富な専門医が多数そろっており、症例も多岐にわたります。病棟業務は専門スタッフ、卒後5-7年目消化器内科医師、後期および初期研修医、医学生で屋根瓦のチームをつくり患者さんの診療にあたっています。
肝臓班
特徴
消化器内科の肝臓疾患の主な診療内容
当科の特徴として、特に下記の疾患、病態の診断、治療に力を注いでいます。
- 原発性硬化性胆管炎(PSC)をはじめとする自己免疫性肝疾患の診断、治療
- 肝細胞がんに対す 造影超音波検査やV-Navigation system、新世代マイクロ波アブレーション(MWA)を用いた低侵襲かつ確実性の高い経皮的治療、ならびに放射線科、消化器外科との連携のもと最先端の集学的治療を行っています。さらに免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を使用した化学療法を行なっています。
- 肝不全に対する集学的治療
急性肝不全に対する早期診断と治療介入による予後の改善を目指して、消化器外科肝移植班と連携を取りながら、血液浄化療法から肝移植までの最先端治療を行っています。 - 代謝異常関連脂肪性肝疾患 (MASLD) 対する診断、治療法の検討
- アルコール性、ウイルス性肝炎、肝硬変に対する免疫学的アプローチを用いた診断、治療法の検討
対象疾患
- 原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)などの自己免疫疾患
- 肝細胞がん
- 劇症肝炎、急性肝不全
- 代謝異常関連脂肪性肝疾患 (MASLD)
- アルコール性肝障害
- ウイルス性肝炎(HAV, HBV, HCV他)
- 肝線維化・肝硬変
- 肝細胞癌、転移性肝癌
- 肝移植前後の管理、フォローアップ
教育
臨床面においては、専門医取得に必要な肝臓領域疾患の専門的知識の習得、ならびに肝硬度測定、経皮的肝生検、新世代マイクロ波焼灼術などの診断治療手技の確立を指導します。また、週一回開催される放射線科との合同カンファレンスにおいて、主に肝細胞がん症例の画像所見の検討、治療方針の決定を行っています。

研究
基礎研究においては、腸内環境を介した肝臓における免疫応答・免疫寛容を主テーマとし、動物モデルを用いて原発性硬化性胆管炎、急性肝障害、慢性肝炎、肝硬変、発がんといった各病態への進展に寄与する免疫学的機序、責任細胞の追究を行っています。臨床面では、肝細胞がん、急性肝不全、各種肝疾患に関する研究を行なっています。学会発表、一流雑誌への報告も多数あり、国内外で高い評価を受けています。
