臨床グループは、上部消化管、下部消化管、消化器腫瘍、肝臓、胆膵、消化器内視鏡と6つの班に分かれて外来・病棟業務、臨床研究に取り組んでいます。いずれの臨床グループにも経験豊富な専門医が多数そろっており、症例も多岐にわたります。病棟業務は専門スタッフ、卒後5-7年目消化器内科医師、後期および初期研修医、医学生で屋根瓦のチームをつくり患者さんの診療にあたっています。
胆・膵班
特徴
膵・胆道疾患の診療は、肝胆膵クラスターとして各診療科(消化器内科、消化器外科、放射線科、病理診断部、腫瘍センター、内視鏡センター)と共同で行っています。各科の集まる合同カンファレンスも定期的に開催され、そのため単独の診療科ではあまり経験されないような希少疾患からCommon Diseaseまで、幅広い疾患を対象としていることが特徴です。ERCPやEUSを用いた内視鏡的検査・治療手技(POCS, POPS, EUS-FNAなども含む)も数多く経験することができ、また通常は内科としては経験しない術後や肝移植後の患者様に対する内視鏡検査も豊富に経験することができます。膵癌、胆道癌などの悪性腫瘍に対する治療は内視鏡的インターベンションから化学療法まで対応します。膵・胆道分野を幅広くカバーすることのできるエキスパートを育成することを目標としています。
対象疾患
腫瘍性疾患
膵癌、嚢胞性腫瘍(IPMN、MCN、SPN、SCNなど)、胆嚢癌、胆管癌、胆管細胞癌など
良性疾患
胆石、総胆管結石、胆嚢炎・胆管炎、慢性膵炎、急性膵炎、自己免疫性膵炎、原発性硬化性胆管炎など
診療実績
2012年度:ERCP 396件、EUS 177件
2011年度:ERCP 378件、EUS 131件
教育
当科では入局1年目(原則医師5年目)に配属を決定し、ERCP、EUSに携わりはじめます。総胆管結石・胆嚢炎・膵癌のようなcommon diseaseから、自己免疫性膵炎、原発性硬化性胆管炎や肝移植後の狭窄・胆管炎といった一般病院では頻繁には遭遇できない比較的稀な疾患まで幅広く学ぶことができます。また、これらの疾患に対して実際にスコープやプローブを握って内視鏡的、エコー下検査処置などの技術も身に付けることができます。
研究
膵・胆道疾患にかかわるテーマを中心に、多岐にわたる臨床研究を行っています。基礎研究も、膵再生に関わる分子機構の解明、慢性膵炎と糖代謝、膵細胞の初代培養、膵癌の薬物耐性機構・癌幹細胞・転移浸潤機構の解析、自己免疫性膵炎(IgG4関連疾患)における免疫分子機構の解明など、この分野の先端を担う魅力的なテーマに取り組んでいます。臨床研究に力を入れたい人、基礎研究に没頭したい人、バランス良くやりたい人、皆さんの意気込みに応じて対応することができます。